アイソーザライト (サウンドオブハートの2021)
アイソーザライト(サウンドオブハートの2021) 牝
父 : バゴ
生産牧場 : タイヘイ牧場
5代目までに生じるクロス Northern Dancer 4×5 , Halo 5×4 , Mr.Prospector 4×5
父バゴはフランスで活躍し、凱旋門賞やパリ大賞典などGⅠ5勝を含む16戦8勝の成績残し、2005年のジャパンカップを最後に日本で種牡馬入りしました。初年度産駒から菊花賞を勝ったビッグウィーク、フラワーカップを勝ち桜花賞2着だったオウケンサクラ等出ましたが、その後の重賞ウイナーはGⅢ函館2歳S勝ちのクリスマス、GⅢファルコンS勝ちのタガノアザガル、GⅢ京成杯勝ちのコマノインパルスで、ビッグウィーク以降GⅠ馬が出ませんでしたが、ビッグウィークから9年の時を経て秋華賞、有馬記念、宝塚記念を連覇したクロノジェネシスが出て、その2年後にはまだGⅠには届いていませんが、GⅢサウジアラビアRCを勝ち、GⅠ皐月賞、日本ダービーをともに3着に入ったステラヴェローチェが出てきて、バゴ産駒が再評価されています。
バゴの血統については、父は英ダービーを制したNashwanを父に持ち、母はMoonlight’s Boxという血統です。ブラッシングブルーム系というのは海外競馬においてはマイラー、中~長距離、芝ダートを問わず活躍馬が出る傾向があります。父バゴの血統に関しては、母母Coup de Genieが日本適正のキーとなっていると考えます。Coup de Genieはシュヴァルグラン、ヴィルシーナ、ヴィクトワールピサ、アサクサデンエンなどBMSのMachiavellianの全妹であり、ともに仏GⅠモルニー賞、サラマンドル賞という芝の短距離のレースで同じGⅠを勝っていることに注目しました。
仏のような重たい芝のレースで全兄妹で勝つというのは偶然ではなく、MachiavellianとCoup de Genieもスピードの持続力はどちらも非常に高いものがあり、それを仔へと伝える能力が非常に高いのではと思います。全兄のMachiavellianはサンデーサイレンス系の特徴の瞬発力の部分+スピードを維持させるという効果があるため、日本においてBMSとしてサンデーサイレンス系との成功例が多いと個人的に思っています。
今後もCoup de Genieにおいても同等の能力が発揮されるのを期待しますので、クロノジェネシスやステラヴェローチェのようにサンデーサイレンスの血を持つ牝系との配合で成功例が増えてほしいと思います。
で本馬の母サウンドオブハートは父アグネスタキオン、母シンメイミネルバ、母父Caerleonという血統で、母サウンドオブハート自身は新馬戦、OP芙蓉Sを連勝し、GⅠ阪神JFで3着、OP紅梅Sを勝ってGⅠ桜花賞に臨み5着でした。そこから8か月休養があったり、父アグネスタキオン産駒の特徴である、スピードがありながら体質面において弱い部分があったため、GⅡ阪神牝馬Sを勝ちましたが、次のGⅠヴィクトリアマイルCで14着と大敗し、繁殖入りとなりました。
母がレースに強い馬でありながら、本馬の兄姉においては重賞を獲った馬はいなく、そうかと言って、父が恵まれていないかというとロードカナロアやハービンジャーなど一線級の父を迎えているのに結果が出ていないという感想です。
父がバゴとなることで母サウンドオブハートのスピードの持続力にもいい影響がでるかと思いますし、仏の重い馬場を駆け抜けてきた父でありますので、体質面においても期待が持てると考えます。母の仔としても、そろそろ大きいところを狙える仔が出てきてほしいところです。POG的にはデビューが夏~秋でも阪神JFや桜花賞が狙えるのではないかと思っていますので、POG本等での情報によっては上位~中位くらいで考えたいと思います。